Abstract
本研究は視覚情報を十分に得られないユーザに対して,触感を用いて人の表情を表現し,提示することを 目指す.提示のためには表情と触感の対応関係を明らかにすることが重要だが,対応関係に必要な要素は現在まで明 らかになっていない.本稿ではこの要素として共感覚的比喩と呼ばれる,ある五感の表現を用いて他の五感を表現す る言語に着目し,比喩表現を通じて表情と触感を間接的に対応づけることが可能か調査を行った.喜び,怒り,悲し みの表情と 36 の共感覚的比喩表現を用いて行った調査の結果,ポジティブな感情である喜びの表情とやわらかさに 対応が見られ,ネガティブな感情である怒りおよび悲しみの表情とかたさ,マクロな粗さ感に対応が見られた.また, 悲しみの表情にはしめりけとの対応が見られる可能性が示唆された.
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Information
Book title
電子情報通信学会技術研究報告
Volume
121
Pages
7-12
Date of issue
2021/08/14
Date of presentation
2021/08/21
Location
オンライン
ISSN
2432-6380
Citation
樋口 友梨穂, 松下 光範. 共感覚的比喩を用いた触感と表情の対応性に関する一検討, 電子情報通信学会技術研究報告, Vol.121, No.143, pp.7-12, 2021.