Abstract
理学療法において,患者の問題を捉える臨床推論は重要であるが,卒業時の到達度は助言を要するとしており,卒業後すぐに臨床推論の実践は難しい.そのため,医療情報を統合し問題点をトリアージするシステムを作成した.実証実験として理学療法士20名に対し模擬症例に関する論理的記述と問題点抽出を課題とし,システム使用の有無で効果検証を行った.文章は教員2名に採点を依頼し,問題点は正答を設定しF値を算出したものを正答率とした.その結果,システム使用有無で採点結果の効果量は小さかったが,正答率は中等度の効果量であった.本システムは問題点列挙の正答率を上げるが,論理性への効果は十分とは言えないため,論理性の向上には文章への直接的な介入が必要であると考える.