論文誌

動物園における自発的な観察の促進を目的とした園内回遊行動のデザイン

Abstract

本研究の目的は,動物園の来訪者を対象に,園内を回遊しつつ自発的に動物に対する知識を深めることを促すことである.動物園などの社会教育施設では,来訪者に対して学習機会を提供することが可能である.しかし,動物園においては,学習の機会を提供する役割が薄れ,娯楽施設のような認識がされており,来園者の能動的な学習の姿勢を促すような情報の提示方法についての工夫は不十分である.本稿では,展示物に対する説明提示の方法を改善するために,利用者が自発的に動物を観察し,動物に対する知識を得ながら園内を回遊できるアプリケーションを実装した.回遊アプリには,(1)クイズ機能,(2)キャッチフレーズ提示機能,(3) Map機能,(4)動物図鑑機能を取り入れた.ユーザ観察の結果,アプリケーションがより詳しく観察することに貢献していること,動物園の全体に行動が及んでいることが示唆された.

Artifacts

Information

Book title

情報処理学会論文誌

Volume

58

Pages

1765-1775

Date of issue

2017/11/15

Date of presentation

2017/11/15

ISSN

1882-7764

Citation

大杉 隆文, 仲西 渉, 多井中 美咲, 井上 卓也, 伊藤 悠, 岩井 瞭太, 香川 健太, 松下 光範, 堀 雅洋, 荻野 正樹. 動物園における自発的な観察の促進を目的とした園内回遊行動のデザイン, 情報処理学会論文誌, Vol.58, No.11, pp.1765-1775, 2017.