Abstract
本稿では,2016年7月に日本でサービスが開始されたPokemon GO を題材に,それが学生の勉学に支障をきたしたかについて検証する.注目されるゲームがリリースされる際には,定量的な根拠を伴わないにも関わらず,それらの勉学に対する負の影響がしばしば取りざたされ,その言説が一定の説得力を持って人々に受け入れられている.これは,ゲームに対する偏見を助長する懸念があり,検証する必要があると考える.そこで本稿では,Pokemon GO のリリース直後に行われた大学の期末試験を対象とし,受験者のPokemon GO のトレーナーレベルと試験の成績の相関を分析することで,Pokemon GO のプレイ時間が試験の成績にどのように影響したかについて定量的に検証する.