Abstract
本研究の目的は視覚情報を十分に得られないユーザ(視覚障碍者)に対して,触感を用いて人の表情を伝達する技術を実現するため,表情と触感の対応関係を明らかにすることである.
ある五感の表現を用いて他の五感の表現を形容する共感覚的表現に着目し,これを間接的な要因として表情と触感の対応づけを試みた.
本稿では,表情を表現する際にどのような触感が必要となるかを確かめるため,基本感情である嫌悪,恐怖,驚きの表情と触覚の語彙を含む36の共感覚的表現の対応を調査し,先行研究で得られている怒り,喜び,悲しみの表情の調査結果と合わせて考察を行った.
その結果,共感覚的表現は触感の属性である「軟・温」「乾・冷」「湿」「硬」「凸」の5種に分類され,喜びの表情とやわらかさ,怒りの表情とかたさ,怒りおよび嫌悪の表情と凸の対応が明らかとなった.
Artifacts
Information
Book title
情報処理学会研究報告
Volume
2022-HCI-196
Pages
1-7
Date of issue
2022/01/04
Date of presentation
2022/01/12
Location
沖縄県石垣市(アートホテル石垣島)
Citation
樋口 友梨穂, 松下 光範. 共感覚的表現を用いた触感と基本6感情の対応づけに関する一検討, 情報処理学会研究報告, Vol.2022-HCI-196, No.18, pp.1-7, 2022.