Abstract
近年の理学療法分野では、診療記録やインタビュー記録などの分析手法としてテキストマイニング技 術に注目が集まりつつあるが、その臨床的な観点からの有用性や従来の質的研究との差異が十分に整 理されているとは言い難い。そこで本稿では、テキストマイニングの価値を、(1)大規模テキストを 網羅的かつ客観的に処理し、再現性のある傾向や構造を抽出できる学術的意義と、(2)解析結果を結 論とするのではなく、評価の焦点化や多職種間の合意形成といった臨床意思決定の過程を支える文脈 的意義の二つの観点から整理し論考する。この論考を通じて、テキストマイニングを単なる自動分析 手法としてではなく、理学療法士自身の推論を内省・検証するための「思考の補助線」として位置づ け直すことで、臨床知の形式知化と質の高い臨床判断に貢献する可能性を示す。
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Information
Book title
理学療法管理学
Volume
4
Pages
49-56
Date of issue
2026/03/31
Citation
松下 光範, 高橋 可奈恵. テキストマイニングは臨床推論をどう支えるか: 客観的処理と臨床判断の接続, 理学療法管理学, Vol.4, No.1, pp.49-56, 2026.
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