論文誌

電子本棚の共有によって可視化・蓄積される漫画作品間の感性的関係

Abstract

漫画は最も人気のある物語型エンターテインメントの一つであり、多くの作品が多様なストーリーを提供している。漫画のコンテンツ自体はこれまで分析されてきたが、漫画作品がどのように楽しまれているかについては、依然として解明されておらず、未開拓の領域となっている。本研究では、各ユーザの感性に基づいて複数の漫画タイトルが収納される「漫画の本棚」に着目し、これを漫画タイトル間の感性の類似性を把握するためのデータソースとして活用する。本研究では、特定のテーマに沿った漫画のデジタル本棚を他者と共有するためのプラットフォーム「ComiNet」を開発した。ComiNetは、ユーザが作成した本棚に加え、それらに収納された漫画タイトル間の関係性に基づいたネットワークを表示する。予備調査を通じて得られた本棚の分析から、1) 他者の本棚が、ユーザーが自身の感性を他者と共有するきっかけとなったこと、2) 本棚のテーマは、ジャンルや著者といった標準化された情報を超えた多様な感性を反映していたこと、3) 漫画がどのように関連付けられているかは、本棚のテーマによって異なっていたことが示唆された。

Information

Book title

日本感性工学会論文誌

Volume

25

Pages

81-92

Date of issue

2026/04/30

Citation

今泉 港大, 山西 良典, 松下 光範. 電子本棚の共有によって可視化・蓄積される漫画作品間の感性的関係, 日本感性工学会論文誌, Vol.25, No.2, pp.81-92, 2026.