論文誌

リハビリテーション計画立案における患者情報認知支援が理学療法士の思考に与える影響

Abstract

リハビリテーションは疾病を患った後の生活復帰に重要であり,現役生産人口の維持の観点からも社会に対する貢献は大きい.リハビリテーション部門の中で,基本的動作能力の改善を主とする理学療法士が患者の問題点を適切に捉えることは重要である.しかし,理学療法初学者は,診断名から様々な可能性を十分に連想できないために限定的な視点に陥りやすく,収集すべき患者情報や行うべき理学療法検査を想起できずに患者の問題点を見落とす可能性がある.この問題を低減させるため,本研究では問題点の見落としを防ぐための教授モデルについて検討し,医療情報と理学療法検査の優先度を序列化することで問題点に対する気づきを与えるシステムを試作し,その効果を検証した. 実験として,理学療法士26名に対し模擬症例に関する論理的記述と問題点抽出を課し,システム使用の有無を操作して効果検証を行った. その結果,システム使用群において効果量が高いことが確認されたことから,本システムが理学療法士が患者の問題点を把握する一助となることが示唆された.

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電子情報通信学会論文誌

Citation

吉田 龍洋, 畠山 駿弥, 佐々木 恭志郎, 堀 寛史, 髙岡 良行, 松下 光範. リハビリテーション計画立案における患者情報認知支援が理学療法士の思考に与える影響, 電子情報通信学会論文誌.