学位論文

2023・2024年度松下研究室卒業論文集

Abstract

今回の卒業研究論文集は,変則的に2023年度と2024年度の合併で発刊します.2023年度は在籍学生が少なく,卒業論文提出が3件だったためです. 関西大学総合情報学部松下ゼミは2009年にインタラクションデザインを学ぶゼミとして発足しました. 2023年度の卒業生は14期,2024年度の卒業生は15期になります.この間,松下ゼミでは(1)インタラクティブ情報アクセス技術,(2)実世界指向インタラクション技術,(3)人の行動変容を促す技術,を中心に研究活動を行ってきました.インタラクションデザインという学問の特徴から,対象とする領域は広いですが,その根底には共通した問題解決の方法論があります.ゼミの卒業生はこの方法論を理解・実践し,社会に役立てていくことが期待されています. 2023年度は,Covid-19の影響も概ね解消し,以前の研究環境に戻ってきたように思われます.ただし,Covid-19によって研究の連続性に制約が生じた影響は小さいものではなく,同期や先輩との研究コミュニケーションのあり方や協同の体制など,学生の研究遂行に困難さを生じさせたと思います.また,この間の生成AIの急速な進歩と普及は,研究ゴールの設定にも少なからず影響を与えたのは明らかです.もちろん,プログラム開発や文章チェックの効率化といったプラスの側面もあったでしょうが,それ以上に早い技術変化のなかで研究を進める難しさを感じたのではないかと思います.このような変革期のさなかで,卒業論文を上梓された学生諸氏の努力に賛辞を贈りたいと思います. 現在,研究の高度化の速度はますます早くなっています.数年前であれば研究テーマとして一年かける価値のあった技術が,いまではツールとして提供され誰でも簡単に実現できる,といった状況にあります.今回,卒業研究で取り組んだ研究も,数年後には陳腐化してしまうかもしれません.けれども,様々な関連論文を読み解き,アイデアを発想し,それにもとづいてシステムを実装したり実験を計画したりすることで得た経験は,各々の人生の中で今後も活きるものだと確信しています.  14期生,15期生の皆さん,本当にお疲れ様でした.今後の大いなる活躍を期待しています.

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Date of presentation

2025/11/05

Citation

. 2023・2024年度松下研究室卒業論文集.