論文誌

理学療法初学者の臨床情報収集支援を目的とした患者情報記録ツールの提案

Abstract

理学療法の初期段階において,臨床情報を収集することは患者の身体の状態を評価し適切な治療計画を立てるために重要である.しかし、経験の浅い理学療法初学者は、情報収集に多くの時間を費やしたり重要な内容を見落としたりすることがしばしばあり,それが不正確な評価につながる懸念がある.このような経験の浅い理学療法士を支援するため,本稿では患者情報を効率的に収集するための患者情報記録ツールを提案する。このツールは評価項目を基本情報,医療情報、社会情報、理学療法評価の4カテゴリーに整理し、必要な患者情報の範囲を把握しながら,体系的かつ効率的に患者情報を収集することを支援する.このツールの有用性を評価するために7名の理学療法学生と15名の新人の理学療法士(入職後3年以内の理学療法士)を対象に比較実験を行った.実験の結果,提案したツールは,記録した評価項目の数と臨床情報収集に要した時間の両方の観点で従来の記録方法よりも有効であることが示された.

Information

Book title

ヒューマンインタフェース学会論文誌

Volume

27

Citation

岩脇 朱梨, 高橋 可奈恵, 堀 寛史, 松下 光範. 理学療法初学者の臨床情報収集支援を目的とした患者情報記録ツールの提案, ヒューマンインタフェース学会論文誌, Vol.27, No.3.