Abstract
本研究の目的は,Twitterの投稿から被害情報や救援要請情報を効率的に抽出するために,ツイート本文と同時に投稿される画像の関連性を明らかにすることである.災害発生時のツイートにはテレビ報道の拡散や個人の感想といった救援要請に直接関わらないツイートが多く含まれているため,実被害に関わるツイートを的確に抽出することが難しく,人手による確認が必須となる.迅速な情報収集を行うには,ノイズとなる情報を取り除くことで必要な情報を効率よく抽出することが望ましい.そういった社会的課題に対し,ツイートのテキスト情報に加え,画像の特徴を考慮することで被害情報や救援情報の抽出精度向上を試みる.本稿では,令和2年7月九州地方・岐阜県で発生した豪雨災害時のツイートを対象とし,テキストと画像の用いられ方に関する調査を行う.ツイート画像に付随したテキストの特徴は他の類似ツイート画像のテキスト特徴と類似するという仮定のもと,人手で分類したツイート中の画像とテキストの傾向を分析し,ノイズとして扱うべきデータを明らかにする.これにより,Twitterに投稿された信頼性の高い災害情報を効率的に取得するためのノイズ除去の可能性について考察する.
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Book title
ヒューマンインタフェース学会論文誌
Volume
27
Citation
森野 穣, 藤代 裕之, 松下 光範. 災害時におけるソーシャルメディアからの情報収集を目的としたノイズ情報分離に関する調査, ヒューマンインタフェース学会論文誌, Vol.27, No.3.