論文誌

実物体と影の変形を用いた情報の秘匿と選択的視覚化

Abstract

古来より,あぶり出しなどの実物体に情報を秘匿する手法が考案されているが,このような手法には,複数の情報を付与することや,それらを選択的に取り出すことが容易ではない,といった制約が存在する.本研究では,これらの制約を緩和し,実物体への情報の秘匿と,秘匿された情報の選択的視覚化を可能にする手法を提案する.提案手法では,物体に秘匿された情報を視覚化する媒体として,影を利用する.赤外光を透過するフィルタと偏光板の性質を利用し,物体を赤外光にかざした上で,物体の回転角度に応じて光の透過/遮蔽を制御することによって,物体から生成される影の形状を変化させる.これにより,物体に秘匿された2種類の形状情報を,物体の回転角度を変える・照射する光の種類を変更する,といった条件の変化に応じて,影の形状として選択的に視覚化する.

Artifacts

Information

Book title

芸術科学会論文誌

Volume

15

Pages

157-166

Date of issue

2016/11/05

Citation

阪口 紗季, 東納 ひかり, 松下 光範. 実物体と影の変形を用いた情報の秘匿と選択的視覚化, 芸術科学会論文誌, Vol.15, No.4, pp.157-166, 2016.