Abstract
スマートフォンに標準的に搭載されたセンサを用いて,そのスマートフォンを把持するユーザの位置および方向を推定する手法を提案する.室内空間の様々な生活家電が IoT 技術により,スマートスピーカなどを介したシームレスな操作が可能になっているが,設定変更などの複雑な操作や複数人による同時操作は難しい.そこで,スマートフォンを操作対象の機器に向けて特定し,その設定機能を手元のスマートフォンに取り込んで操作するインタラクションを実現することで,この問題の解決を試みる.提案手法では,室内の基準点をスマートフォンで指し示した際の角度の差を用いてユーザの空間座標と指示方向を推定する.本稿では,提案手法による位置・指示方向の推定精度およびその特性についてユーザ実験を通じて明らかにする.