Abstract
視覚障碍などで目が不自由な人々は,聴覚や触覚などの視覚以外の感覚器官を利用することで情報を補っている.このような人々に対する情報支援のため,視覚情報を他の感覚器官の情報に変換する 試みが行われている.例えば言語情報は点字のように触覚に変換され,目が不自由な人々のために活 用されている.その一方で,表情などの非言語情報は他の感覚器官の情報に変換する手法が確立され ておらず情報の取得が困難である.非言語情報は視覚情報を得られる晴眼者が意識的あるいは無意識 的に人の感情や状況について予測や判断を行う際に用いる情報であり,コミュニケーション手段の1 種として有用な情報である.目が不自由な人々はこのような非言語情報,特に人の視線や表情が理解 できないためにコミュニケーションに苦労するといった問題が生じている.
このような問題に対して,視覚的な非言語情報である表情を物体の質感である触感に変換し伝達す る技術を確立し,代替的な表情提示を行うことで問題の解決を目指す.その端緒として,本研究では 表情と触感の基礎的な対応関係を明らかにすることを試みる.
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Book title
2021年度関西大学大学院総合情報学研究科修士論文
Date of issue
2022/02/14
Date of presentation
2022/02/17
Citation
樋口 友梨穂. 共感覚的表現に着目した触感と表情の対応づけに関する研究, 2021年度関西大学大学院総合情報学研究科修士論文, 2022.