Abstract
災害が発生した際,ソーシャルメディアには様々な災害情報が投稿される.特に Twitter 上ではその速報性と拡散力の強さから,自身の被害状況や救助・支援を求める投稿が見られる. そういった投稿を自治体は独自に収集することで,実際に被災者の救援に繋げていた.一方で,災害 時の Twitter には,テレビ報道の拡散や個人の感想,デマなどへの反応といった被害情報や救援要請 に直接関わらない投稿が多く含まれているため,被害情報や救援情報に関わるツイートを的確に抽出 することは困難であると指摘されている .Twitter に投稿された災害時の被害情報・救援要請情 報を活用するためには,投稿情報の信頼性を担保する必要があり,最終的には人手による投稿の確 認が必須となっている.災害時という人的リソースが欠如した状態で Twitter に投稿された災害情 報を効率的に確認し活用するためには,膨大な SNS 情報の中から災害被害とは無関係な情報をノイ ズとして扱うことで取り除き,確認すべき情報の絶対量を減らすことが望ましい.そこで本研究は, SNS 情報の肥大化に焦点を当て,膨大な情報の中から必要な情報をピンポイントで抽出するという アプローチではなく,データをクレンジングすることで必要性が高いと推定される情報を残すという アプローチを採る.その端緒として,Twitter の災害関連単語を含む投稿から災害被害に関する投稿 と災害被害とは無関係な投稿に関する調査を行った.調査では,投稿されたテキスト情報と画像とい う複数のモダリティに着目し,災害時に投稿されるツイートのうち画像を伴うツイートから,画像の 内容にもとづいて人手でクラス分類したうえで,各クラスのツイートの文章特徴を明らかにする.こ れにより,Twitter に投稿された災害情報を効率的に取得するためのデータクレンジングの可能性に ついて考察する.
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Information
Book title
2021年度関西大学大学院総合情報学研究科修士論文
Date of issue
2022/02/14
Date of presentation
2022/02/17
Citation
森野 穣. 複数のモダリティを考慮した災害関連ツイートのノイズ除去に関する研究, 2021年度関西大学大学院総合情報学研究科修士論文, 2022.