Abstract
臨床推論とは対象者の訴えや症状から病態を推測し,対象者に最も適した介入を決定していく一連の認知過程であると説明される.この過程の中では科学的かつ経験的な判断が必要であり,習得するためには熟達した実践知が必要になる.そのため,実践知の乏しい学生や新人理学療法士にとって臨床推論の習得は容易ではない.本研究では,臨床推論の構造を明らかにし,習得するための道筋を見つけるために,(1) 検査結果のグレーディングとそれを (2) ICFのコードと紐付けすることにより,臨床推論における「問題点の列挙」を助けるシステムの開発を行った.(1) について理学療法の検査結果は数値化することが望まれるもののその数値の「意味するところ」の理解に実践知が必要となる.検査結果にグレードを付与することで理解を助け,数値解釈の統合とICFコードを使用した用語統一によって問題点についての思考の偏りを減らす.この一連の流れをプログラミングしシステム化する試みを行った.
Information
Book title
第55回日本理学療法学術大会 抄録集
Volume
48 Suppl. No.1
Date of issue
2020/11/07
Date of presentation
2020/11/07
Location
オンライン
DOI
10.14900/cjpt.48S1.B-219_1
Keywords
理学療法支援 /Citation
堀 寛史, 松下 光範, 宮本 誠人, 新谷田 元晴, 中谷 知生, 森井 麻貴, 蓮井 成仁, 畠山 駿弥, 高岸 亮太. 検査結果グレーディングとICFコードへの紐付けによる臨床推論支援システムの試み, 第55回日本理学療法学術大会 抄録集, Vol.48 Suppl. No.1, No.EO-3-3, 2020.